最近よく耳にする「コーチング」。
特にマネージメントにコーチングを用いると、部下の自主性を発揮しながら目標達成に向かうことができるため、コーチングを学ぶリーダーやマネージャーが増えてきました。
しかし、コーチングで勘違いされがちなのは「傾聴」。部下の話を聞くだけになってしまい結局言い訳や愚痴に同調するだけになっていないでしょうか。
この記事では、コーチングについて改めて解説し、なぜマネージメントにコーチングが必要とされている理由と、コーチング型マネージメントを学ぶ方法をご紹介します。
Contents
コーチングとは
「コーチ(coach)」とは、指導者という意味がありますが、もともとの意味は「馬車」でした。
馬車は大切な人を目的地まで送り届ける必要があります。
そこから転じて、目標を達成するための「指導者」「指南役」という意味になりました。
つまり、「コーチング」は、コーチングを受ける人の目的地までたどり着けるようにサポートをすることです。
しかし、コーチ(コーチングをする人)は誘導するのではなく、対話を通じて自走しながら実現させることが役割です。
基本的に、答えを教えたり、アドバイスしたりすることはありません。
問いかけ→聞く→問いかける→聞く…の対話の繰り返しにより、コーチングを受ける人自身が、
さまざまな考え方や行動の選択肢を広げ、行動に移せるようにしていくのです。
コーチングによって得られること
- 新たな気づき
- 視座を高くし、さまざまな角度からものを見ることができる
- 視野が広がることで、行動や考え方の選択肢が広がる
- 目標達成までのアクションを促す
コーチング型マネージメントが必要とされている理由
現代のマネージメントにおいてコーチング型マネージメントが必要とされている理由は、従来の「指示命令型マネージメント」だけでは成果重視に偏重しプロセスがないがしろにされてしまうためです。
指示命令型マネージメントでは、上司が部下に具体的な指示を出し、部下は出された指示の通りに行動することが求められていました。
しかし、その方法では、上司の役割は「問題解決」ですが、部下の役割は出されたタスクをこなすだけとなり、自主性を発揮することができません。
また、成果重視のため、失敗が許容されない指示命令型マネージメントでは、失敗や過ちから学ぶ機会が極端に少ないと言えます。
一方で、コーチングマネージメントでは、失敗から学ぶことも成長ととらえ、部下自身が問題解決の道筋を見出し、行動を促していきます。
そのため、道筋は人によって異なり、部下の自主性や自発性を発揮することができます。
上司の役割は、部下が解決までの道筋を見出すためのサポートや、部下自身で決めた道のりからそれていないか、
それた場合でも決めた道筋に部下自身が戻り目標を再度目指すためのサポートです。
決して部下に任せっきりにすることはありません。
一見、対極にあるマネージメント手法ですが、どちらがいいという二択ではありません。
もちろん事業や職種によっては指示命令型マネージメントが有効な場合もありますので、従来のマネージメントにコーチングの要素をプラスすると考えるとわかりやすいでしょう。
コーチング型マネージメントを行うためのコーチングスキルとは
コーチング型マネージメントを行うために、当然コーチングスキルが必要です。
国際コーチ連盟ICF(International Coach Federation)の定義する、コーチに求められる11のスキル(コア・コンピテンシー)は以下の通りです。
メモ
- コーチングの倫理と基準を理解し、さまざまな状況下で適用
- コーチングを説明し、クライアント(マネージメントの場合は部下)と目標への同意を交わす
- クライアント(部下)との信頼関係を構築
- オープンで柔軟性をもちもち、コーチとしての存在を発揮
- 傾聴を行い、クライアント(部下)の自己表現を支援
- 効果的な質問を行い、必要な情報を引き出す
- 率直なコミュニケーションを取り、ポジティブな影響を与える
- あらゆる情報を総合評価し、クライアント(部下)に新たな気付きを与える
- 日常的に実践できるよう、クライアント(部下)の行動をデザイン
- クライアント(部下)と、効果的なプランを作成
- プランに対する進捗を管理し、クライアント(部下)自身に行動変容の責任が所在することを認識させる
出典:International Coach Federation「Core Competencies」
マネージメントシーンでの3STEP
Step 1:コミュニケーション(関係構築)
Step 2:目標設定(課題の整理)
Step 3:振返り
コーチング型マネージメント実践するための3STEP
Step 1:コミュニケーション(関係構築)
コーチング型マネージメントは「対話」を基本としますが、その前提にはコミュニケーションが必須です。
関係構築が出来ていなければ、コーチングを受ける側も心を開いて話すことはありません。
そうなると、自らの考え方が広がらず視野や視座が高くならず、コーチングがお互いに不毛な時間となってしまいます。
不毛な時間になってしまう事態を避けるためには、コミュニケーションを通じた関係構築が必須です。
Step 2:目標設定(課題の整理)
関係構築が出来たら、目標設定と課題の整理を行います。
目標=理想の状態
課題=現状
に整理できるため、現状を把握したうえで、理想とのギャップをどのように埋めていくのかを考えられるように促していきます。
目標設定といっても、コーチが目標を決定するのではなく、部下やチームメンバー自らが目標を設定できるようにコーチングしていくのです。
自主的に目標設定が出来るようになるために、有効な問いかけは以下のようなものがあります。
メモ
- 「こうありたい」理想の姿はどのような姿ですか?
- 「いつ」「どこで」「誰と」「どのように」理想の姿を実現したいですか?
- 理想の状態になったら、どのような気持ちになると思いますか?
- 理想の状態を実現するためには、何があれば実現できると思いますか?
Step 3:振返り
STEP2において、目標設定と現状把握が出来たら、アクションプランが明確になります。
次のSTEPにおいては、目標達成にむけたアクションに対してのコーチングを実施します。
具体的には、1つ1つのアクションを振返ります。
例えば、アクションに対して実施できたか、実施したアクションが思うようにできたかなどです。
設定した目標(理想の姿)に近づくために、どのように行動を変えるべきかを対話によって引き出します。
メモ
- いまのところの進捗はどうですか?
- 100点満点でいうと、何点くらいですか?
- (アクションや目標達成に対して)うまくいくイメージはありますか?
- 各アクションや目標を達成するために、取り組んでいることはありますか?
- アクションを阻害するものは、何ですか?
マネージメントに特化したコーチングを体験してみる
マネージメント型コーチングを身に着けるためには、実践あるのみです。
しかし、ご自身ではマネージメントコーチングを体感したことがなければ、実践することはなかなか難しいでしょう。
マネージメントに特化したコーチングがどのようなものかを体験してみるのが正直1番の近道です。
部下の話の引き出し方、質問のバリエーション、強制ではなく自主的に目標を設定させる方法…
1度体験してみると、ご自身がコーチのポジションで部下にコーチングを行うことができるようになります。
さらにご自身が障壁にぶつかった際も、自分で解決方法を見出し、アクションプランを設定できるようになります。
無料でマネージメント型コーチングを集中的に体感できるプログラムもあるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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